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石窯をうまく焚こう

■着火

着火の様子初めに新聞紙などの紙を丸めて中央よりやや左側に置きます。その上によく乾いた細い枝を載せます。そして着火します。着火後は火が安定するまで見守ります。安定してきたらだんだんと太めの薪を追加していきます。
また、前回使った灰の中に消し炭(または木炭)があればそれだけ集めて山にして、新聞紙のそばに置くと安定した着火が出来るようになります。

■加熱……燃焼支援装置を使ってみよう!

燃焼支援装置コントロールスイッチいよいよ火が安定してきたら、(炭を利用した場合はある程度着火したら)燃焼支援装置を働かせてみて下さい。スイッチをONにして、送風全開にします。薪に勢いよく火が回っていくでしょう。そしてある程度火の勢いが全体に回ったら、送風調整レバーを前後に動かして風の勢いを調整しましょう。最初の加熱時は全開で連続的に使うよりもバランス良い酸素供給を意識して適度に送風して下さい。火が自力で安定してきたら送風を止め釜全体に熾きを広げ自然に燃焼させます。その方がまんべんなく蓄熱できます。

■気になる煙を扉でコントロールしよう

煙を扉でコントロールしているこの一連の加熱の初期段階は煙がかなり出ます。SW100LDは窯口から煙が流出しにくいように設計されていますが、室内に設置した場合など、窯口からの煙の流出が気になる場合は窯口の一番外側に扉を半分横にずらして置いてみてください。半分ずらすのは、燃焼に必要な外気を窯内部に取り込むためです。


■すすを確認しよう(※蓄熱温度計)

加熱初期段階で石窯の内部を見ると、内部壁はすすで真っ黒になっているはずです。1時間ぐらい燃焼し続け石窯が十分温まると内部の天井付近はすすが取れて白くなってきています。この白い範囲が下の方まで行きわたれば、石窯は十分に蓄熱できたということになります。ただし、窯内部温度計の温度はこの蓄熱の具合は表現できません。蓄熱についてはこのすすの状態を目安にしてください。何回も使ううちに体得していけるはずです。
ナポリピッツァはこの位の高温で焼きます。(石窯で最も高い温度が必要な調理かもしれません…?)

※ ただし、このたび上記の蓄熱具合をより的確に把握できないか?ということで2011年11月より新たに蓄熱温度計を設置できるようにしました。これで本当に石窯に蓄えられた熱が分かるようになりました。

■温度を保とう

中低温で焼くタルトSW100LDはピザ以外にも様々な調理に使えるように設計してあります。うまく石窯を利用するには、調理に必要な温度が高温(ピザ、ステーキなど)のものから中温(魚、野菜類)低温(パン、ケーキなど)と計画すればスムーズですが、必ずしも計画どうりにはいかないものです。途中でやはり温度を上げたくなったり、ある程度の温度を維持したかったり…と、色々なパターンが要求されるものです。こんなときに燃焼支援装置を利用して火をうまくコントロールする技があります。

【右写真】は中低温で焼いたタルト

■温度を自在にコントロールする技

木炭を利用して熾き火を保つ温度をある程度の中高温で維持したいときにおすすめの方法は、木炭を使うことです。
ピザだけを焼き続けたい場合は定期的に新しい薪を追加すればずっと、高温のまま維持できます。
一方、次に調理するものを準備するために、ある程度の温度を維持しておきたいときは、熾き火の上に木炭を載せ、燃焼支援装置をやや絞って送風します。
SW100LDの扉は排煙ダンパーの役割も兼用しています。
扉をしめれば温度をより長く維持することができますが、火がある場合は閉めすぎによる不完全燃焼に注意します。
慣れてくれば、火の状態に合わせて燃焼支援装置の風量と扉の位置で排煙を調整することにより、石窯を自在にコントロールすることができるようになります。

【火の状態】×【風量の調整】×【扉の位置】めざす石窯の温度

この三つをうまく調整するのがポイントです。

デジタル温度計
さらに、その結果はデジタル表示の高温温度計で扉を閉めた状態でも常に確認できます。
石窯の蓄熱も十分で熾き火の状態も良ければ、風量・ダンパーともにかなり絞ることができます。
一方、高温が必要になった時には燃焼支援装置を全開にして、熾き火に送風すればたちまち石窯の温度を上げることもできるのです。
この調整は回数を重ねて体験を通して会得できるようになります。