■炉台(木部)の組立
SW100LDキットの炉台は木製です。
これは基本的にコミ栓という木の釘のような栓を木槌で打込むだけで、組み立てていくことができます。
なお、基礎の天端の高さが多少違っていても(たとえば傾斜地など)柱の長さを適切に切ることによって水平な台を作ることができます。
燃焼支援装置と高温温度計を設置する場合はこの木組みが完了した時点で電気配線をし、これを組み込みます。
この後、この炉台の上に断熱床板を設置します。この断熱床板を、木製の炉台の上に敷くことにより、窯本体からの熱を遮断します。
※最新の木製炉台の内部の大引きは木製ではなく金属製です。
■断熱床板の設置
※最新の断熱床板は断熱性と防火性を向上させたため、ここで紹介する動画とは少し異なります。最新版はミヤシタヒルズの石窯ページの動画内で紹介しております。
■燃焼支援装置のしくみと組立
※最新の燃焼支援装置の送風機取付板は木製ではなくアルミ製です。
■高温温度計のしくみと組立 (※蓄熱温度計も同じ組みたてかたです。)
■ドーム窯本体の組立
ドームは接続部の凹凸の本実を組み合わせて一度仮に組み立てたうえで本組みをして作っていきます。つなぎ目に多少の隙間ができてもあまり気にする必要はありません。
各接続部をファイバーキャストという粘土状の耐火材を接着剤として塗りこみながら組み立て、さらに外側からふさぐからです。
高温温度計のセンサーはこのドーム組み立て途中でセットします。
■ドーム窯の隙間・穴をふさぐ工程
ドームを組み立てる時には各接続部にファイバーキャストという耐火材を塗りつけておいてから組み立てます。かならず仮組み立て・分解をしてみて、事前に組み立て状況を把握しておく必要があります。その後同じファイバーキャストで各接続部の隙間や穴を外側からふさぎます。根気よく十分に充填していきます。
■初火入れ、(乾燥工程)
ここまで完了した時点で、初めて窯に火入れを行います。あまり激しく燃焼させてはいけません。この燃焼によって、ドーム窯本体に含まれる水分を飛ばします。
■外周壁の組立
外周壁もドームと同様に凹凸の本実を組み合わせて作ります。コーキングで接続部を接着しながら組み立てます。ただし、必ず、本番の組み立て前に一通り組み立てて練習をします。そして、床面に外周線を鉛筆で引いておきます。この線を基準に本番の組み立てをします。
外周壁組み立てが完了したら、屋根用の前桁と後桁をボルトで留めます。続いて屋根のタルキを取り付けます。
■断熱材(パーライト)の充填
ドーム窯本体と外周壁の間の空間に、砂状の断熱材(パーライト)を充填します。最上部には強風で吹き飛ばされないように断熱材(パーライト)にセメントを加えて練ったもので覆います。これはあくまでフタの役割なので厚みは3センチほどあれば充分です。
■屋根工事
屋根下地(野地板)、煙突貫通部には防火板(ケイサンカルシウム板)を施し、ルーフィング、周囲の板金(カラクサ板金)、横葺き板金の屋根を葺きます。(※紹介の映像ではこけら葺き屋根になっていますが…。)
特に煙突回りは雨じまいの点で重要なので手順を間違えないよう慎重に工事をしてください。また、煙突に接する部分だけは耐火パテを使うので注意してください。
※映像では、【こけら葺き屋根】を紹介していますが、キットの標準仕様では【横葺き板金屋根】になります。
なお、自信のない方は、屋根だけを専門の板金屋さんに頼むようにしてください。
基本的な組み立てがほぼ完了しました。周囲の装飾を除けば、機能的にはこれで完成です。
ただし、横殴りの雨に備えて、外周壁や断熱床板と床下地合板との境には防水を目的としたコーキングを施します。
また、これをやることによって、一体化するので強度的にもよりしっかりとしたものになります。
さいごに、外周壁の外側にはタイルや石などを貼る、あるいは漆喰などを塗る、などを施し、さまざまな方法で装飾ができます。
SW100LDキットでは、人造石をキットとして扱っています。
これを施すことによって、さらに外周壁が一体化するという効果もあります。
写真は人造石の施工例です。石を張る前には必ず型を取って割り付けをして、裏側にナンバリングしておきます。一度並べたものを写真に撮っておきます。組み合わせが合わないところはグラインダーで削って治めるようにしましょう。
次に、少しずつ接着剤を塗り写真で位置を確認しつつ貼っていきましょう。完成(右写真)
装飾の石貼りは正直苦労する工程です。 しかし、その分出来上がった時の見返りは大きく、非常に満足のいくものに仕上がる最後の締めでもあり、楽しい部分でもあります。是非挑戦してみてください。
そして、最後にはせっかくのこの石を末永くきれいに保つための保護剤(ストーンシーラー)を塗るか、吹付けるかして、すべて完了です。