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石窯珈琲焙煎機を使って焙煎してみよう


石窯で珈琲豆を焙煎しているところ 石窯で焙煎した珈琲豆

■石窯珈琲焙煎のコツ

まず石窯の温度ですが、十分蓄熱して自然に温度が下がり200℃位の温度の状態がいいようです。火の状態は熾き火が少々赤くおとなしくなった状態です。その熾き火はできれば木炭の本当の炭がいいです。余計な煙臭が余りつかないからです。石窯の中の焙煎する位置は熾き火の斜め上空、と言ったところでしょうか。1回目のハゼは14~15分頃から始まる位に持っていけるといいと思います。また、1回目のハゼがある程度完了したという頃、熾き火からやや遠ざけて、回転させます。熾き火の熱ではなく石窯の持っている遠赤外線の熱を利用して、焙煎をすすめる感じです。焙煎完了は18~20分くらいが目安になりますが、その時の熱の状態や好みの焙煎具合で判断し完了させます。出したらすぐにサッ!とアルミバットに移してうちわであおぎます。
うまく出来た時は『確実に違う!おいしい!』という手ごたえを感じました。最初は試行錯誤がありますが、必ずうまくできる時がきます

以下に、より詳しく実際の手順を追って石窯での焙煎方法を説明します。


■石窯珈琲焙煎のやり方(詳しい手順)

【用意するもの】
石窯珈琲焙煎に必要な道具・石窯焙煎機一式
・アルミバット
・うちわ
・目の細かい網袋(玉ねぎが入れられているネットなど)
・キッチンペーパー
・計量測り
・広口ロート
・軍手
・キッチンタイマー


【石窯珈琲焙煎手順】
・焙煎前の準備

1. 最初に生豆を計量します。この焙煎機では400gまで焙煎可能です。一度に焙煎する量は出来れば毎回、同じ量に決めてやった方が良いです。豆の量により同じ火加減でも焙煎の進み方が違ってくるので、経験を積んで勘を鍛えるためには、なるべく同じ条件で焙煎をした方が良いからです。
珈琲生豆の計量。ここでは400グラム
2. 計量した豆を、目の細かい網袋(玉ねぎが入れられているネットなど)に入れて流水で軽くもみながら1分ほど洗い流します。
計量した豆を細かいネットに入れるネットに入れて流水で豆を洗う
3. 次に、大きめのキッチンペーパー(大きめのがなければ2枚続き)の上に広げて水気を取りながら、悪い豆を取り分けます。(ハンドピック)
キッチンペーパーに広げて悪い豆を拾い出す。ハンドピック
※わるい豆とは次のような豆です。
・虫食いの穴があいている豆
・変に緑色に変色しているところがある豆
・黒く傷んでいる豆
・異常に白っぽい豆
・割れたかけらのような豆
・木片や石などの異物(混入していることがある)  

などです。洗ってから焙煎するまでは、なるべく時間を置かずに手際よくやりましょう。

4. ハンドピックが完了したら、広口ロートを使って、石窯珈琲焙煎機に生豆を入れます。
広口ロートを使って枚前記のカゴに豆を投入
5. 回転支持台を窯内の窯口付近でやや熾き火よりにセットします。

6. 焙煎時間を測るためにキッチンタイマーを焙煎中確認できるところに置きます。

7. また、焙煎完了後すぐに出せるように近くにアルミバットとうちわを用意しておきます。

 
以上の準備ができていることを確認して、焙煎を開始します。

・石窯で珈琲焙煎
1. 回転支持台に焙煎機の軸を乗せて時計回りに回転させます。タイマーは焙煎開始と同時にスタートさせます。

熾き火の斜め上で焙煎開始※ 石窯内の温度は立体的に捉えて把握する必要があります。天井付近と炉床付近では100℃も温度帯が違うことがあります。また、薪は燃えているのか、あるいは熾きの状態になっているのか、などにより焙煎条件も変わります。おすすめは前記のコツの所でもふれたように、木炭などが熾き火の状態(火は出ていない方が失敗は少ないです。)になっている時です。
また、石窯が充分蓄熱されているかどうか、などの条件により遠赤外線量なども違ってきあます。ここでは、説明できないほど、多くの要素があるのでいろいろな条件で経験を重ねていくしか上達の方法がないと言っても過言ではありません。


2. 最初の3分ほどは濡らした豆の水分が乾燥する時間です。だんだんと豆の転がる音が軽い感じに変わるので乾燥が進んでいることが分かります。まるで蒸気機関車のようなシュッ、シュッ、というリズミカルな音がすれば上手く撹拌されています。

3. ここから7~8分ほど経過した頃、豆の色が緑色から次第に黄色っぽく変化して行きます。(写真は焙煎を開始してから7分ほど経った頃の豆の様子です。)
焙煎開始してから7分程経過した頃の豆の色
4. さらに10分~13分にかけて茶色になって行きます。(写真は10分ほど経過した頃の豆の様子です。)
焙煎開始してから7分程経過した頃の豆の色
5. 早い豆で13分ごろから1ハゼが始まりこともありますが、15分頃から1ハゼが来るのが理想です。1ハゼのはじける音は強いパチン、パチンという音がします。だんだん連続的にその音が続きます。この1ハゼは、だいたい1分半ほど続きます。この時豆は膨張し大きくなります。

6. この1ハゼが始まった時に注意することは加熱し過ぎないことです。煙も多少は出はじめますが、あまり多く煙が出るようだと焦げている可能性もあります。熾き火からの距離や窯内部の上下の位置、あるいは窯の手前から奥までの位置で火加減を調整します。これは、石窯内部の熱を立体的に捉える必要があり、経験を多く積むことで得られる技術となっていきます。

7. 1ハゼが完了した後は熾き火から少し遠ざけて火加減を弱くします。下の写真のように回転支持台の位置を少し移動させます。
一ハゼ後の焙煎位置
※ もしこの1ハゼが10分より前に始まるようだと火加減が強すぎるということです。逆に16分を経過しても1ハゼが始まらないようだと、火加減が弱過ぎるということになります。これは何度も言いますが、経験を積んで掴んでいくしかありません。

『焙煎終了のタイミング』
8. 焙煎終了のタイミングについてですが、1ハゼ経過後は、浅煎り~深煎りまでの味の好みに応じて終了させれば良いです。

『浅煎り』
9. 1ハゼが終わったころに終了させれば浅煎りの焙煎となります。時間にして、16~17分ほどなら、火加減もちょうど良かったことになります。1ハゼ完了直後で完了させる浅煎りは酸味を残した味になります。豆によってはこの酸味がフルーティーであったり、豆の特徴が表れやすい味となります。

『中煎り』
10. 1ハゼ完了後もさらに焙煎することにより中深煎り→深煎りとなって行きます。焙煎が進むにつれて酸味は抜けていき、コクと苦みが増していきます。ただ、1ハゼ終了後の焙煎は火加減を落として進めていかないと焦げの味がする豆になるので火加減の注意が必要です。1ハゼ後、2分位焙煎を続けると2ハゼが始まります。豆によっては2ハゼが分かりにくい時もあります。これは音も弱くピチッ、ピチッ、とした感じの音です。この2ハゼが始まると同時に終了させれば中入りの仕上がりとなります。

『深煎り』
11. 2ハゼもピークを迎えた頃に終了させれば深煎りの仕上がりになります。窯の温度状態にもよりますが、時間にして20分位が目安となります。

『焙煎終了後』
12. 以上の煎り具合を考えて好みの焙煎に仕上がったら、焙煎を終了させ、用意したアルミバットに豆を出します。すぐにうちわで仰ぎ、豆を冷まします。
中煎りの焙煎豆アルミパッドに移してからうちわであおぎ豆を冷却しているところ

これで、焙煎完了です。 焙煎したての珈琲も良いのですが、この豆を広口ロートを使って瓶などに入れ、2日程置いた頃が最も豆がなじんで熟成され、美味しくなります。 そして、大切なのは飲む直前にミルにかけて豆を挽くことです。挽いたばかりの珈琲は香り高い味わいの珈琲になります。


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