紅白のウッドデッキ

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梁などの刻み終わった構造材(米ヒバ)

昨年雪が降る前に建てようとしていた別荘のYさんのウッドデッキがあります。
刻みも終わっていつでも建てられる状態でしたが、12月中の建て方を急きょ延期しました。

 

 

 

理由は急な積雪もありましたが、塗装の色が白に決まったからです。もうひとつ、床はアグライアという赤い板で貼ることになり、それを無塗装で仕上げることにしたのも理由の一つです。

アグライア(Aglaia)

agliyaパプアニューギニア産。素材を活かしたウッドデッキ。程よい耐久性、程よい価格、程々のデッキ。サイズは厚み20mmと30mm、巾は90/105/120mm、長さは2,000~4,000mmお好みのサイズが選べます。
(建材メーカー征矢野建材のウッドデッキ用無垢のデッキ材より引用)

実はこのアグライアという板は耐候性もあり、丈夫な板なので無塗装で仕上げることが可能なのです。無塗装だと紫外線により真っ赤な色が、やがて綺麗な銀色に変化していきます。おそらく真っ赤な状態の床は最初の数か月くらいでしょうか?ひと冬、積雪にさらすと汚れるし紫外線も強いですから・・・。新緑の頃、Yさん達が来る時にこの真っ赤な床と真っ白い構造のウッドデッキを味わってもらいたいとの想いで春まで工事を延期することにしたのです。

 

Y邸崩れたウッドデッキ

20年近く経ち、崩壊したウッドデッキ

昨年の話しにさかのぼりますが、Yさんの別荘のウッドデッキは20年近く経ち腐って崩壊していました。

すでに他界されたYさんのお父様はこの別荘をとても大切にしていて、夏の間はここでよく過ごされていました。そんな今は亡きお父様の想いを受け、もう一度、手入れをし、この別荘を大切に利用して行こう、というYさん兄弟の想いで、ウッドデッキを作りなおすことになりました。

Yさんは、初めての打ち合わせの時、『手摺の無い能舞台みたいなデッキがいい。』とお話しされていました。東京のカフェで打ち合わせをしたこともあります、何度かやりとりをしていく中で、『何か面白いアイデアやイメージを提案してほしい』と言っていただくようになりました。

このような経過を経て手摺の無い広めのデッキに一部屋根つき半外部の空間があるウッドデッキの設計になりました。構造(米ヒバ)は白で床は無塗装。特徴のあるウッドデッキになりそうです。

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写真はまだ未塗装。手前が米ヒバの方杖。奥が上部構造である東屋部分の方杖(米松)

先週、石窯の仕事も無事完了したので、いよいよ、今日からYさんのウッドデッキ工事を再開。このところの雨続きで、今日は貴重な晴れ間。第1回目の白塗装をやりました。

 

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『自遊の森』にピザ窯を組み立てに行きました【後半】

【後半の組み立て】

後半の組み立ては、約1週間の慣らし焚きを経て4月2日(木)に行いました。

この日は外周壁を組み立て、断熱材を入れ、さらに雨から石窯を守る屋根工事までのすべてを行いました。参加した人数は5~6人ほどでした。

慣らし焚きをして煙が漏れたところを再度耐火パテでふさいだ後、外周壁の組み立てから始まります。外周壁は各部材を接着しながら10分ほどで組みあがりました。

 

続いて、桁→垂木と屋根の構造部分を組み立てます。

自遊の森 垂木

この後、足元を固めるセメント入りの砂をドームのまわりに突き固めます。

自由の森2回目1

 

さらに断熱材(パーライト500リットル)を投入します。まさに投入という感じで、あっという間に断熱工事完了!

自由の森断熱材充填

パーライトが風で飛ばされないよう、抑え板で垂木間をふさいだ後は、屋根工事に入りました。

自遊の森 屋根

 

板金の屋根工事は少々難しいかもしれませんが、なんとかやっていただきました。特に両サイドの板金を折り曲げるところは握力が必要で少しハードルが高い作業です。煙突回りの雨じまいを仕上げて屋根工事はほぼ完成。

自由の森板金折り

 

 

最後に断熱床板の周囲を建築外装用の水性塗料を砂骨材用のローラーで仕上げて、今回の組み立て作業はすべて完了しました。後半の組み立てに要した時間は正味5時間。慣らし焚きの約1週間を除いて、すべての組立作業を合わせるとここまで11時間でした。

自由の森2回目完成

このあとは、自由の森の管理運営会社である㈱岸グリーンサービスさんの方で後日、外装のタイル工事をしていただきます。外装は熱くならないので建築用の一般的な外装で仕上げることが可能です。

どんな外観になるのか楽しみです!完成姿はまたブログで紹介します。

 

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『自遊の森』にピザ窯を組み立てに行きました【前半】

3月25日と4月2日の2回に分けて富山県南砺市の桜ヶ池公園 『自遊の森』にピザ窯(SW100LD総合キット)を組み立てに行きました。

『自遊の森』は大きな池の周りにある南砺市の公共施設で、バーベキューやピザ焼き体験などができ、桜湯という露天風呂付の温泉施設もあり、コテージで宿泊もできる施設です。特に全天候型のバーベキューハウスは巨大な屋根に覆われていて迫力があり圧巻です。雨が降っても心配無用!ファミリーや大人数の団体でも楽しめる素敵な公園です。

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『自遊の森』ホームページ http://s-jiu.com/


『自遊の森』では、ピザ焼き体験ができます。80人の団体でやることもあるそうで、とても人気があるようです。
そして今回、SW(ササキウッドワーク)の石窯キットを導入していただくことになりました。『自由の森』のピザ窯としては4代目になるそうですが、SWのは今回が初めてです。今回組み立てる石窯には大きな特徴が二つあります。

  • 1つ目の特徴は『軽量化』です。
    見た目では分かりませんがが、素材は軽量化に徹しています。本来このSW100LD総合キットは1330㎏あります。台を含んだ内径1mのピザ窯にしては、これでも軽い方です。しかし、今回さらに300㎏以上の減量に挑戦し、総重量は1トンを切る、990㎏!の軽量ピザ窯に成功しました。屋根も含まれた重量です。外装タイルの重量は含まれていませんが、使い込んで水分が抜ければさらに100㎏近く軽くなります。
  • 2つ目の特徴は動かせること』です。
    これはオーナーのアイデアですが、脚には一つ400㎏の荷重に耐えるキャスターを4か所取り付け、人力で押して移動できるようにしたことです。ただし、ブレーキがないので平らな固い地面でのみ、人力で動かします。夏は屋外施設で、冬は屋内で使う予定です。
    遠い場所に移動する時は専用治具を使って、クレーンで吊り、トラックでどこまでも動かせます。イベント会場にも出向けます!

  クレーンによる吊り上げ  トラックに載せて

 


さて、それでは組み立ての報告です。

【前半の組み立て】

先月3月25日(水)には木製の台からドームの窯本体までを組み立てました。
組み立てに参加した人数は6人位です。朝9時、組み立てスタート。

  自遊の森4-1約1時間後にはキャスター付きの木製の台が完成!
さらに1時間で燃焼支援装置と高温温度計を2種類設置しました。一つは窯内部の空気の温度計。もうひとつは蓄熱温度計です。今回はこの蓄熱温度計センサーを炉床の直下に設置し炉床の蓄熱温度が分かるようにしました。

お昼までに断熱床板までが完了しました。午後は溶岩炉床とドーム本体を組み立てました。

ドームの組み立てには、隙間をふさいで、一体化させるためにファイバーキャストという耐火材を使います。これは、少々扱いづらく、紙粘土のような素材ですが、水で薄めて適当な柔らかさに調整することがポイントになります。たびたびビニール袋に水を加えて良く混ぜながら施工しました。左官ゴテを使うとやりやすいです。

ドームの組み立てでは微調整に若干手間取りましたが、午後4時には完成し、初日の組み立てはここまで。要した時間は正味6時間でした。

 


このあとすぐに慣らし焚きに入りました。初日は200℃以下で約2~3時間くらい弱火で焚きます。枝のような細い薪、木炭などを使いました。徐々に水分を抜いていきます。急激な加熱は水蒸気爆発を起こすので慎重に…。

自由の森3

 

二日目以降はだんだんと火力と時間を増して約1週間、自遊の森のピザ職人『マッちゃん』に慣らし焚きをしていただきました。

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